ORCLSの概要

ORCLSが行っている主要な調査である沖縄百寿者調査(OCS)は日本の沖縄県の100歳以上(百寿者)及びその他の高齢者の集団研究です。

1975年に設立されたOCSは世界で最も長期間継続されている百寿者研究です。OCSでは超高齢者の食習慣、運動習慣、遺伝的特徴、心理的及び精神的活動、社会的及び行動学的パターンを検証し、合計3,000人以上の参加者を数えています。

現在、沖縄は世界で最も平均寿命が高く、人口10万人あたりで最多の百寿者がいる地域の1つとして知られており、 「ブルーゾーン」に指定されています。

出典: 人間の死亡率データベース 2017; 厚生労働省 2017年

歴史

OCSは厚生労働省が出生証明書やその他の統計データの検証を通じて沖縄における健康と長寿に関する報告書を確認した後1975年に設立されました。

OCSは琉球大学の新医学部に教授として地域医療部を設置するため沖縄県にやってきた鈴木信博士によって設立されました。

鈴木博士は、OCSを20年以上にわたって実施してまた琉球大学医学部から退職した後も沖縄の百寿者研究を継続するため、1997年に自ら主任研究員となりORCLSを正式に設立しました。

OCSリサーチチーム, 1994年

ORCLS

当センターの使命

 

ORCLSでは健康な加齢に関連する要因に関する最先端の研究を実施し、世界中の一般大衆、研究者、そして研究所に対して健康と長寿に関する科学的で根拠に基づく情報を提供し、全ての人々の健康と生活を向上させることを使命としています。

この使命を達成するために、ORCLSでは以下の目標を設定しています。

  • 沖縄の高齢者の健康的な加齢の原因となっている遺伝的及び環境的(食生活、生活習慣、精神的、社会的)要因を解き明かす
  • 健康的加齢に関する追加調査を行うために遺伝的特徴、食生活、機能的能力、認知的健康、及びその他の要因に関する科学的データバンクを確立し続ける
  • 健康的な加齢の研究に役立つバイオリポジトリを確立し続ける
  • 他の研究者や研究所と協力して理解を広げ、知識を共有する
  • 最先端の翻訳作業を行うことで調査結果を臨床的に有効な介入につなげ、高齢者の健康を向上させる
  • 老人学/老年医学生や研究者に対して健康な加齢の原理に関する教育を行う
  • 政府、政府機関、非政府組織そして担当企業に対して健康な加齢を推進する

協力関係

ORCLS では以下のような多数の学術機関や調査機関と協力しています。

  • 琉球大学医学部[沖縄県、日本]
  • 沖縄国際大学人間福祉学科 [沖縄県、日本]
  • 豊見城中央病院 [沖縄県、日本]
  • 東京都健康長寿医療センター [東京都、日本]
  • ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院[マサチューセッツ州、アメリカ合衆国]
  • レイトン・エイジング・アルツハイマー病センター、オレゴン健康科学大学 [オレゴン州、アメリカ合衆国]
  • パシフィック健康研究所 [ハワイ州、アメリカ合衆国]
  • ハワイ大学マノア校ジョン・A・バーンズ医学部 [ハワイ州、アメリカ合衆国]
  • 5-COOP (5か国超高齢者プロジェクト) 調査 [デンマーク、フランス、日本、スイス及びスウェーデン]
  • 琉球大学、チャンプルースタディ[沖縄県、日本]
  • KOCOA (最適な認知的老化の鍵) 調査、琉球大学/オレゴン健康科学大学 [沖縄県、日本/オレゴン州、アメリカ合衆国]
  • SONIC (70歳代、80歳代、90歳代、及び100歳代の) 調査、大阪大学 [大阪府、日本]
  • クアキニHHP (ホノルル心臓調査プログラム), クアキニ医療センター[ハワイ州、アメリカ合衆国]
  • ニューイングランド百寿者研究、ボストン大学 [マサチューセッツ州、アメリカ合衆国]
  • ジョージア百寿者研究、ジョージア大学 [ジョージア州、アメリカ合衆国]
  • 健康 ABC (老化と体組成)調査、 アメリカ国立老化研究所 [アメリカ合衆国]
  • 国際百寿者研究会 (ICC)

資金

以下より資金援助を受けています。

  • 日本国厚生労働省
  • 日本国文部科学省
  • 日本学術振興会
  • 沖縄県
  • アメリカ国立老化研究所/アメリカ国立衛生研究所
  • アムウェイ他、複数の大企業
  • 沖縄国際大学
  • 琉球大学

これら全てを実現し、現在までORCLS調査を継続しているチームの詳細